JN4JXLの業務日誌

2020年1月に3アマを取得し、開局したビギナーハムの業務日誌です

1200MHzのぶっさしコリニア

DJ-G7 を入手してからずっと 1200MHz のアンテナを作っています。八木を作ったりデルタループを作ったりしましたが、最近は同軸コリニアアンテナ作りにハマっています。

高利得アンテナを作っているのは主に山口 1200MHz ロールコールに参加するためで、四国反射の 200km 超えになるため試行錯誤しています。 今のところ15エレループ八木と22段コリニアで一瞬 RS41 で聞こえた程度で交信には至っていません。

利得では多エレ八木に分がありますが、同軸コリニアのような水平方向に無指向性のアンテナの場合、反射した電波をかき集めるような感じで受信できる効果が期待できるようです。

で、いくつか 3D-2V の同軸を使ったコリニアを作ってみましたが、調整がうまくいかずなかなか思うようなアンテナが作れません。そもそも同軸コリニアの製作経験がなく調整の勘所がわからないこともあり、スタブ用の 1.5D がどんどん減っていきます。

そこで、エレメント同士の半田付けなし、刺すだけの実験アンテナを製作しました。

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材料

  • エレメント用 5D-SFA 適量 (15cm x 段数)
  • 位相整合部 5D-SFA 20cm
  • 給電用 3D-2V 任意長
  • スタブ用 1.5D-QEV 10cm

エレメント同士を刺すだけで固定するため、単芯で強度のある 5D-SFA(フジクラ製) を使用しました。

製作

まず、ベースとなる設計は、同軸コリニア研究会さんの制作マニュアルを使用します。

エレメントの切り出し

エレメント長は 1/2波長 x 短縮率 で計算します。フジクラの 5D-SFA の場合、短縮率は 83 % (仕様上) で

23.16 x 0.5 x 0.83 = 9.61 cm

となります

これに刺す部分 2.5cm を両端に足して 15cm ずつ切り出します。次に端から 2cm の位置で外皮と網線部を取り除き、9.61cm残るように反対側の外皮と網線部も取り除きます。私は、カッターの刃を当てて机の上で転がして網線部を切っていますが、精度が出ればやり方はなんでも良いです。 f:id:shogouki3:20210527034510j:plain

芯線部は片方を少し長くしておいた方が刺しやすいので、2cm, 3cmなど適当にずらします。

芯線の端は斜めに切り落とすか、やすりで鉛筆のように円錐に加工しておきます。

また、外皮のみ 3mm 程度剥いて網線を半田でほつれないようにしておきます。 f:id:shogouki3:20210526041109j:plain

位相整合部の切り出し

位相整合部は 1/4波長 x 短縮率 で計算します。

9.61 x 0.5 = 4.8cm

下部位相整合部は給電用同軸に半田付け、上部は端部をショートさせることを考えて、エレメントと同様に、切り出し加工します。 f:id:shogouki3:20210526040934j:plain

給電用同軸の加工

長さは任意長ですが、 1/2 波長の長さで切り出さないとSWRがうまく測定できないため、コネクタ取り付け後、NanoVNA に繋いでインピーダンスが 0 になるように切り出しました。

給電部加工

給電用同軸と下部位相整合部とスタブを半田付けします。(写真はスタブ調整後のため短くなっています) f:id:shogouki3:20210526094626j:plain

組み立て

それぞれ、外皮と網線の間に芯線を "ぶっさす" だけです。 f:id:shogouki3:20210526041035j:plain

"ぶっさし" のメリット

5D-SFAの芯線は太いため、刺しただけである程度固定され、実験程度ではテープでの固定は不要でした。

エレメントの長さに多少ばらつきがあると思いますが、短い順に繋ぐとか長いのと短いのを交互にするとか、差し替えるだけで簡単に実験できます。

また、上部位相整合部をいくつかの長さで作っておくことで同調点の微調整も可能です。

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調整

NanoVNA を接続し、スタブを少しずつ切り詰めてSWRが落ちるところを探します。

給電線の長さを 1/2 波長に合わせておいたおかげか、スタブの長さは 2cm 程度と短くなりました。

スタブ調整後にエレメントをつなぎ替えてもSWRは大きく変化はしませんでした。

今後はサイズ違いのエレメントをいくつか追加してダウンチルトの実験や、同調点の動かし方、電界強度計でゲイン調査など、いろいろ遊べそうです。