さて、組み立ては終わりましたが、スプリアスが新スプリアス規制の基準を満たしていないため、対策をしないとJARDで基本保証をしてもらうことができません。
Twitter(現:X)でスプリアス問題について呟いたところ、以前ADVENTURE QRPさんやDL2MAN局とのやりとりを教えていただき、私もDL2MAN局にメールを送って確認しましたが、結論としては
ということでした。
…困りましたね。
ただ、
- Twitterで "スプリアスが出ているのはLPFの特性が悪くなる100MHz以上の領域で多い"という情報
- 組み立て編の測定結果にもあったように28MHzの3次高調波(84MHz)が問題
- 10dBくらい減衰できれば十分
ということを考えると、カットオフ周波数50MHzの1段π型LPFでなんとなくなんとかなりそうな気もします。
シミュレーション
初めてのLTSpiceでシミュレーションしようとして悪戦苦闘していたら、かつおさんからいい感じのパラメータをいただきました。
こんなもんでどうでしょうか。
— かつお (@JP3DGT) 2024年2月27日
カットオフ(-3dB)44MHz pic.twitter.com/BVBXqPj5Is
シミュレーション通りに機能すればバッチリはまりそうです。
LPFの特性確認
手持ちの部品で必要なものが全て揃っていたので、早速実装してみたのがこちら
家にあるものでさくっと作ったLPF
— いけちょ(JN4JXL) (@ikeda_shogouki) 2024年2月29日
基板は1200MHzの2分配器が転がってたので、銅箔を一部剥がしてテストベッドに
チップコンデンサはSMA端子に直付け pic.twitter.com/q11LBxrtqH
特性は問題なさそうです。28MHzの通過特性も、50MHzあたりでの減衰も問題なし。
あとはどう組み込むかが問題です。
LPF組み込み
外付けLPFでも基本保証は受けれるはずですが、できればケース内に収めたいのでアンテナ端子周りのパターンを眺めていたところ、こんな感じにすれば組み込めそうです。
しかし、もともとコンパクトなので、スペースがあまりありません。
コンデンサは100pfのチップセラコン、コアはT30-6でなんとかねじ込みました
測定
3.5MHz
7MHz
14MHz
21MHz
28MHz
まとめ
ケース内に収まる追加LPFの設計、実装を行い、スプリアス測定を行ったところ、いずれのバンドも-50dBcを達成できていることを確認できました。 通過特性も問題ありませんでした。
コアが近づきすぎて悪影響がないか心配でしたが、問題なさそうです。
次はJARDに基本保証を依頼編です。