JN4JXLの業務日誌

2020年1月に3アマを取得し、開局したビギナーハムの業務日誌です

(tr)uSDX スプリアス対策編

jn4jxl.hatenablog.com

さて、組み立ては終わりましたが、スプリアスが新スプリアス規制の基準を満たしていないため、対策をしないとJARDで基本保証をしてもらうことができません。

Twitter(現:X)でスプリアス問題について呟いたところ、以前ADVENTURE QRPさんやDL2MAN局とのやりとりを教えていただき、私もDL2MAN局にメールを送って確認しましたが、結論としては

  • (tr)uSDXFCCや欧州の基準(-43dB)をターゲットに設計している
  • 日本の新スプリアス規制への対応策は持ち合わせていない

ということでした。

…困りましたね。

ただ、

  • Twitterで "スプリアスが出ているのはLPFの特性が悪くなる100MHz以上の領域で多い"という情報
  • 組み立て編の測定結果にもあったように28MHzの3次高調波(84MHz)が問題
  • 10dBくらい減衰できれば十分

ということを考えると、カットオフ周波数50MHzの1段π型LPFでなんとなくなんとかなりそうな気もします。

シミュレーション

初めてのLTSpiceでシミュレーションしようとして悪戦苦闘していたら、かつおさんからいい感じのパラメータをいただきました。

シミュレーション通りに機能すればバッチリはまりそうです。

LPFの特性確認

手持ちの部品で必要なものが全て揃っていたので、早速実装してみたのがこちら

特性は問題なさそうです。28MHzの通過特性も、50MHzあたりでの減衰も問題なし。

あとはどう組み込むかが問題です。

LPF組み込み

外付けLPFでも基本保証は受けれるはずですが、できればケース内に収めたいのでアンテナ端子周りのパターンを眺めていたところ、こんな感じにすれば組み込めそうです。

(tr)uSDXのパターン

しかし、もともとコンパクトなので、スペースがあまりありません。

コンデンサは100pfのチップセラコン、コアはT30-6でなんとかねじ込みました

LPFを組み込んだ様子

測定

3.5MHz

3.5MHzのスプリアス測定結果。問題なし

7MHz

7MHzのスプリアス測定結果。問題なし

14MHz

14MHzのスプリアス測定結果。問題なし

21MHz

21MHzのスプリアス測定結果。問題なし

28MHz

28MHzのスプリアス測定結果。問題なし

まとめ

ケース内に収まる追加LPFの設計、実装を行い、スプリアス測定を行ったところ、いずれのバンドも-50dBcを達成できていることを確認できました。 通過特性も問題ありませんでした。

コアが近づきすぎて悪影響がないか心配でしたが、問題なさそうです。

次はJARDに基本保証を依頼編です。