JN4JXLの業務日誌

2020年1月に3アマを取得し、開局したビギナーハムの業務日誌です

ホイップアンテナ用パラボラリフレクタの試作

以前、割と大きいパラボラリフレクタを作ってみたことがあるのですが、おそらく精度の問題でうまく機能しませんでした。

3Dプリンタを使えばもっと精度良くパラボラアンテナを作れると思い、純正ホイップ用のパラボラリフレクタを試作してみました。

設計

パラボラアンテナを設計する時に決める必要があるのが、

です。 直径は必須で、深さを決めると焦点距離は計算で求まるし、逆も可です。

https://www.nao.ac.jp/contents/naoj-news/almar/data/almar09.pdf

7ページの計算式を参考に求めます。

今回は3Dプリンタの造形可能サイズに合わせて幅200mm、焦点距離を50mmにしました。

すると、100 * 100 / (50 * 4) = 50 で、深さも50mmになります。

モデリング

Fusion 360 を使います。

「円錐曲線」コマンドでRho値を0.5にすると、放物線が描けます。

放物線のスケッチ方法解説のスクリーンショット

この時、高さの指定は倍にする必要があるので100を指定しています。

あとは、DJ-G7の純正ホイップアンテナにワンタッチで取り付けられるようにサポートを作って完成です。

モデリング完了のスクリーンショット

3Dプリンタで出力

そのまま出力してもいいのですが、時間がかかるので最低限の部分のみ出力します。

最低限のみ出力

出力できたら接着して、クリアファイルとアルミホイルで反射面を製作します。

完成

評価

室内でNanoVNAのCWモードを使い、リフレクタの有無での受信感度を比較してみました。

結果は、リフレクタを装着することでホイップアンテナのみよりS2ほど良くなる傾向が見られました。

室内なので参考程度ですが、S1あたり3dBとするとざっくり+6dBとなります。

ほぼ同じ電波強度だった比較対象のツインデルタループのゲインは4.33dBdということなので、それくらいのゲインはありそうです。

ただ、ほぼ平面のツインデルタループと比べて体積が大きいため、パラボラリフレクタのメリットがありません。ツインデルタループの方が取り扱いも持ち運びも楽です。

まとめ

ゲインに変化が見られ、一定の効果は見られましたが、このサイズだとツインデルタループやヘンテナの方が良さそうです。

2.4GHzであれば、3Dプリンタで出力可能なサイズでも有効なものが作れるかもしれないので、またチャレンジしてみようと思います。